2018/04/27

LH-NEXTコミュニティにて〈新連載〉「女性視点の現場力」が掲載されました

投稿日: カテゴリー: メディア掲載

女性視点の現場力
いま求められる運営力とは
(株)マークス グループ統合戦略室室長

 

岡崎 梓
おかざき・あずさ

2002 年にルームメイクのアルバイトとして(株)マークスに入社。現在、営業管理や人事労務管理から現場スタッフのサポートまで、同社ホテル事業の全般にわたる業務に関わり活躍中。

 

初めまして。仙台を拠点に東北・関東で11店舗を運営管理する(株)マークスの岡崎梓です。
私が、レジャー・ラブホテルの仕事に就いたのは16年前。マークスが新規参入でホテルを新築オープンした翌年でした。職場が近い、新しくてキレイなホテルという単純な理由でルームメイクのアルバイト募集に応募。遅刻はするし欠勤もするし優良なアルバイトではなかったのですが…その後、フロントを経て社員に、そしてマネージャーに。現在、グループ統合戦略室室長という仰々しい肩書で、ホテル部門の営業管理や人事労務管理から現場スタッフのサポートまで、ホテル事業に関わる幅広い仕事に取り組んでいます。
私の入社当時、すでに「装置産業からサービス産業へ」といった指摘がなされ、従業員教育や運営力の重要性が問われていました。さらに近年では、以前のような大規模投資が難しい市場環境となり、現場の運営力は、店舗の維持管理だけではなく、顧客満足や集
客力も大きく左右する要素になってきているといえます。
また、私が入社した頃は、「女性に好まれるホテルづくり」が集客力に不可欠と指摘されはじめた時代です。当社でも「女性にアピール力のあるサービスとは何か」、現場の女性スタッフが意見を出し合って、プレゼントのラッピングの仕方までこだわって取り組んだ記憶があります。

当社は、その後に2店舗目を取得し女性デザイナーを起用して改装。ハードと運営の両面から女性視点や顧客満足を重視したホテルづくりを推し進め、それが支持され、おかげさまで繁盛店となっていきました。新規参入で、既成概念に捉われずに新しいチャレンジができたことも大きかったといえます。
方向の決定は社長(氏家正裕)ですが、現場のスタッフを巻き込んで運営するという取り組み方で、それが現場スタッフの力を引き出したといえます。

現在の当社は、運営管理会社としてホテル事業に携わっています。直営と運営管理では取り組み方が違うところもありますが、「顧客満足のために私たちスタッフが何をどうするのか」という基本部分は共通です。
清潔で不備のない客室を仕上げて提供する。この基本は、以前も現在も変わりません。しかし、清掃用具も洗剤も進化していますから、生産性を考えて清掃の仕方は常に更新しています。
近年、大きく変わったのが、スタッフの雇用や就労に関する部分です。法令遵守に加え、スタッフ個々の働き方や考え方も多様化してきています。この両方の視点から、マークスが望む運営をするためのマネジメントと教育・育成の方法を考え、実行していかなければなりません。
もう1つ大きく変わったのがお客様です。スマホの普及で、情報収集力が格段にアップし、瞬時に必要な情報を取得して比較できてしまいます。周辺店舗より高い価格で集客するには、それを納得してもらう情報を発信しなければなりません。さらに、情報発信も、フェイスブック、ライン、インスタグラムと多様なSNSツールが求められています。

一方、サービス自体は、「これは面白い!」という新しいネタは、正直なところなかなかありません。かといって、安易に割引企画に走れば単価低下を招いてしまう。昨年、当社ホテルでは、「契約農家から届く味が格別な野菜!」と謳った「彩り生野菜」(880円)というメニューを打ち出し、好評を得ました。企画段階で「女性に訴求力があることは確か。でも野菜はロスが多い」という意見も。しかし、当社の基本姿勢は「やれないと言うのはNG。できる方法を考える」というもの。現場スタッフも含めてロスを抑える方法等を一生懸命に考えて実現したメニューでした。このような小さな独自性の積み重ねが、価格競争に巻き込まれないオンリーワンの価値になっていくと思っています。
現在のレジャー・ラブホテルで顧客満足につながる運営は、経営者1人で決定・実行できる範囲を超えているといえます。そうなると、やはりスタッフの現場力が売上のカギを握ることになります。
次号から、女性スタッフのパワー活用の方法や、教育・指導の仕組みづくりなど、具体的な運営力強化の取り組み方に関して述べていきます。

 

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