宿泊業の変化を捉え、運営管理の仕組みも再考し、将来の方向を決定していく
㈱マークス
代表取締役 氏家正裕
◆仙台を拠点に東北および関東で 11 店舗を運営管理。LH オーナーズ倶楽部会長。
■ 2017 年の総括
仙台エリアも、昨年は売買や改装が活発で、動きのある1年という印象でした。ただ、集客・売上に関しては、商圏内の競合店舗の改装などに左右されるケースが多く、利用人口が減少するなかで既存利用者が店舗を移動するという状況です。当社が運営管理する店舗は、前年比増加の店舗もありましたが、全
店トータルでは前年比微減の状況でした。
■ 2018 年の市場動向予測
地方市場では、利用人口の減少が進み、従来と同様の施設内容・運営では、集客・売上は厳しくなっていくと思います。ただ、市場環境が厳しい東北エリアでも、現在は低迷していてもハードと運営の改善で再生可能な店舗も数多くあり、それらの店舗の動向も注目されます。
■ 2018 年の注力ポイント
お客様の「価格対価値」の判断基準は確実に厳しくなっています。そのなかで集客力となる優先順位は、プライバシー確保、修繕とメンテナンス、サービス。従来の運営委託・受託の仕組みでは、とくにコストの発生する部分に関して、やるべきことと現実にできることの乖離もあり、難しくなってきているともいえます。長期契約で当社が改装費用を負担し成功している例もあります。今後は、小規模投資等の決定方法なども含め、委託・受託の仕組みを再考しなければならない時期に来ていると思います。利用人口が減少傾向とはいえ、確実に実需があることは間違いありません。今後も取り組み方次第で中長期的な収
益確保は可能。それができる仕組みの再構築が必要です。
今後は、さらに宿泊業態の多様化が進み、宿泊ニーズも多様化していくでしょう。宿泊業全体の動きをマクロな視点から捉えたなかで、ラブホテルの方向性を考えなければなりません。
当社の既存店舗においては、これまで同様に修繕・メンテナンスの徹底と、オリジナリティ重視の飲食・イベントなどのサービスの強化を進めていきます。その成否のカギを握るのは、やはり現場スタッフです。これまでも現場をバックアップする本部機能の強化等を進めてきましたが、今年はとくに中核社員のさらなるレベルアップを図り、オーナーとの調整力も含め、中長期的な収益力確保につながる運営を実行していきます。既存店売上は、各店とも前年比クリアを目指します。